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今日はいよいよ入札会です。
11時前には、雨もあがり太陽が顔をのぞかせました。
主会場となる地階ホールには
全国の古書業者さんが集まり始め、
闘いの前の静けさ、とでもいうのでしょうか、
緊張感も高まってきました。
17時過ぎまで、この会場で何度も商品を入れ替え、
業者さんがじっくりと見定めつつ入札をしていきます。
落札された商品は、発声といって会場内にアナウンスされます。
この発声をする係も、交代で務めますが、
どんな商品名を自分が読むことになるのかは、
マイクの前に立って初めて目にします。
旧字体やあて字も多いので、みなさん商品名は事前に
読み方を調べたり、鉛筆で書き込みをしたり準備されていますが、
それでも、声に出して読みあげる瞬間は、
緊張しているのかもしれませんね。
「樺太丸 江陽丸等 松田回漕店出荷申込書」のあとに、
「春色梅見婦称 春色英対暖語」がきたり、
「Candide Ov L'Optimisme」もくれば、
「奉爲白川院御悩 行事法師」や、
「悉曇考覈抄」と続くこともある。
よく、小声になってゴニョゴニョゴニョ・・・となったり、
「これ何て読むの~(´ω`;) 」なんて声がマイクに拾われてます。
ハスキーで大きめの声もあれば、
ソフトにゆっくり読み上げる声もある。
ベテランの中には、マイクが入ったまま
朗らかに世間話する人もあったり、と
発声にはとっても個性がでます。
商売に関係なく聞ける職員にとって
発声は密かな楽しみでもあります。
あの商品がこんなお値段に!という
興味ももちろんありますが、
あの業者さんの発声が好き、というのがあるんですよね。