編集担当者達の中のひとりからの自著を語るになります。
5月15日に完成発行にいたり、組合員と関係者にお配りした約100冊の残り400冊を販売しておりますが、意外に感触が良くひょっとするとほとんど売れてしまうのではと思えるほどです。幾人から早々と感想があり、良くこの本の売れない時期に出しましたねとか、今出さなければもうなかなか出せませんねとか、とにかく発行したこと自体を評価して頂いているようです。中身はともか
く。
編集期間はちょうど4年間です。編集委員は6名でほかに顧問が1名、そのうちの3名を事務局と命名し実際の作業を担いました。何度かの話の末にすべて組合内で完結すると決めました。書くのも編集作業も、引用もー古書通信とか地元マスコミなどに掲載された組合に関する記事の、組合員で分担するというものです。
410頁の内訳は約200頁強が通史、80頁弱が座談会、年表が約90頁で残りが名簿規約写真です。全員参加の一つが座談会で、2代目で第1回を中堅で2回最近のネット中心の新人で3回とダブりを入れると総勢31名の出席でした。毎回大盛り上がりで期待以上に話が弾みましたがすべてを載せると予定より大幅に頁数が増えますので幾分カット(特に3回)がありました。しかし思わず正直な感想や具体的な金額が出ていたり何十年のつきあいで初めて知る事が聞けたり組合史に載せるものととらわれずそれぞれの商売の来し方に思いをはせていたようでした(特に2回)。これは制作側の期待以上でした。
年表は編集開始の1年前に顧問にその作成を依頼しており、すべての制作はこれを基礎にと予定していました。詳細大部の年表が出来、私は思わず「これにですますを付ければ通史は出来上がりですね」と言ったほどです。通史の前半、昭和4年の組合結成を遡り明治2年から始まり昭和51年までを顧問の弘南堂主人が、後半の22年を当組合員である、第4回古本小説大賞を受賞し昨年末に「貧
乏暇ありー札幌古本屋日記」を出した須雅屋が、最後の10年とまとめを私が書きました。全体のテーマは、顧問のスタートの時の「この組合史は生活を書きましょう」のことばを下敷きにしています。最後の10年を除いては。
編集作業は順調の反対でした。仕入れるのと売るのは上手ではないが大好きで毎日商売をしていますが、作る方は予定になかったのでだいぶとまどいました。通史の督促が一番の難事。途中役割担当を変えたりしながら、でも催促する方は加減が分からないし書き手の苦労も分からない、でも予定が遅れると自分では何もしない編集長(私)から文句だけは言われる。初めの予定より1年多くかかり
ましたがそもそも3年で完成(私の案)はどだい無理。何とか発行にこぎ着けただけでよしとしなければと思っています。
あとがきは正直にきちんと組合史作成の意義役割などを踏まえて委員長の思いを述べていますが、もっと言いますと通史を書いた顧問の弘南堂主人とその息子の編集委員で事務局員の庄一君が専ら編集室として使っていた弘南堂2階でほとんどの実質的な作業をこなしたので、かくの如く完成に至ったといえます。私は時々、まだかいとメールしたり電話をしたり、市場であった時に立ち話でそお後
の経過を聞いたりスル程度で、時間と手間のかかる編集作業はほとんどすべてふたりに割り振り気がつけば印刷の段階に来ていたという次第です。
数日前NHKの人が来て、今作った理由はと聞かれたので思わず(半分冗談で)「80年でなく100年史なら紙でなくCDになっちゃうからです」と言ってしまいました。でも、紙の本と心中するつもりでこれからも商売をしていくとの思いは本当です。」
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