壇蜜さんが表紙の本屋ガイドムック『本屋はおもしろい!!』を今秋、小社より刊行いたしました。この表紙の写真は東京堂書店・神保町店で閉店後に撮影させていただいたのですが、本屋ファンのなかには「写真を見てすぐに東京堂書店だとわかった」という強者もいらっしゃいました。
さて、近年、本屋さんを特集する雑誌が増えていると思うのですが、どうしても“おしゃれな”“都市型”の書店が取り上げられがちな傾向にあります。今回、本書を制作するにあたり、自分にとっての「本屋の原風景」を思い起こしてみたのですが、私の場合は、小学生の頃に親に連れて行かれた駅前のデパートに入っていた本屋が原体験でした。母親が各階を周っている間、父親と私は本屋で待っているというのがいつものパターンで、当時はマンガ目当てだったのですが、毎週行くのを楽しみにしていました。
偶然にも、壇密さんも本書のインタビューで、小学生時代に家族で行ったデパートの本屋が原体験だったといい、とても共感したのですが、おそらく多くの人にとっても本屋の原体験は、都市部の個性派店よりも、近所の個人経営の本屋だったり、地元のチェーン店なのではと考えました(「本屋の原風景」に関しては、作家の碧野圭氏が本書の中で、個人的体験とともに素晴らしい文章でまとめてくださっていますので、ぜひご一読ください)。
本書では、そうした他誌では取り上げられる機会の少ない“ふつうの本屋”をできるだけ紹介しています。どのお店も、「こんな本屋が原体験になったら幸せだな」という本屋ばかりです。もし本書を手にして頂いたら、紹介した本屋にぜひ足を運んでいただけるとうれしいです。
『本屋はおもしろい!!』
洋泉社刊 定価1,200円+税 好評発売中!
http://www.yosensha.co.jp/book/b185070.html
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