ホワイトマンて何?
これがイベント案内を見た組合員の大方の反応だろう。
東京古書会館オープニング記念連続イベント「古本拡張計画」の第一弾が、ホワイトマン・ショー「古本ラヂヲ@古書会館」。刷物やネットの案内を見ても「何が」行われるか今一つ想像できない。
それ故にどうも気になって仕方がなく、日曜という事もあり、新古書会館へ行ってみた。
会場は若い人が多く、古書店・展で見る客層とは大分違うようだった。
まずはマッシブ・ジャズ・クインテットによるライブ。演じている方達はかなり濃い面々だが、リラックスした曲で静かにスタート。
かと思えば、演奏に釘付けになるような激しい曲も見せつける。カッコ良かったです。
マッシブ・ジャズ・クインテットによるライブ
ライブの後はいよいよホワイトマンショー。客席の間を通って颯爽と登場する白塗りの面々。
あ、ホワイトマンってそういうことか。白塗りも半端でなく、歌舞伎役者のように耳までミッシリと塗りたくっている。
リーダーの説明によれば、ホワイトマンとは様々な業界のクリエイター達が、顔を白く塗る事と変名を使うことでそれぞれの肩書きや立場を離れ、何かおもしろいことをやろうというプロジェクトとのこと。
大丈夫かなこの人達…、という不安を胸に始まるショー。これが滅法おもしろかった。リーダーはよどみない喋りで進行させながら、適度なツッコミ&ボケをかましつつ、お客さんイジリも忘れない。トークの相方さんも出版関係の方のようで、多くの知識を添えながら、クールに話を進めて行く。
そして最大の疑問であった「古本」とこのショーの関連は、「本生(ほんせい)」という言葉で解かれていく。
「人それぞれの生き方が『人生』なら、本の一冊一冊の歩みは『本生』と言える…」
ホワイトマン達は、幾つかのテーマに沿って次々と本を紹介しては、抽選でお客さんに手渡す。
本の見返しには「本生」プロジェクトのサイトアドレスが記されたシールが貼りつけてある。その本は読むなり、友人に譲るなり、それこそ古書店に売るなり、好きにしてくださいと。そうして巣立った本たちのその後を語るも良し、本の内容を語るも良し、本から受けた影響で何をしたか等、「本」にまつわるストーリーをネット上で紡いでいく。これがこのプロジェクトの主旨。
堅苦しい説明になったが、実際のショーは笑いもあれば、ジッと聴き入る場面もあったりと飽きさせない。
途中には大道芸の手品、ラップ(これが良い詩だった!)を挟み、DJによるBGMもまさにラジオのように絶えず流れている。何よりも語るホワイトマン達がホントに本が好きなんだなということが伝わる。
そして本をもらうお客さんも「前から読みたかった」という嬉しい笑顔もあれば、「初めて聞く本だけど、どんな内容だろう」というドキドキした顔もある。
これらの本たちは、今後どんな「本生」を辿るのだろうか。
私とツレがいただいた本は、串間努『少年ブーム』と谷川俊太郎の詩集(署名入)。当分は我が家にとどまりそうだ。
|