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古書店の名前(の要素)をめぐる冒険-(前)

こんにちは、東京古書組合・広報課です。
今回から始まりました「広報課雑記」。
このコーナー(?)では、私たち東京古書組合や古書業界にまつわること、
またそんなことから少しはずれたこと、他愛ないこと、
なんでも気ままに(週一回を目標に)書いて行きたいと思います。


※今回は「古書店の名前」について触れたいと思います。


現在、東京都古書籍商業協同組合には
約700件の古書店が加盟しています。(無店舗含む)
東京組合も参加している「全国古書籍商組合連合会」(全古書連)加盟の古書店が
2400ほどですので、その三割程が東京都にあることになります。
当然、その古書店ひとつひとつに固有の「名前」があり、
その「名前」の数だけ古書店の個性があり、また店主の思いがあるわけですが、
今回はその名前を構成する要素のお話です。
要素、というのは、変な言い方ですが、人の名前に例えますと、
女性には「~子」「~美」「~奈」、
男性には「~太」「~郎」「~助」、
などといった組み合わせがあって、
その「~」の後につく部分、とでも言えばいいでしょうか。
(大変、分かりにくいですね)
「もし私が古書店を開業するとしたら、どんな名前にしよう」
「この単語は絶対に入れたいな」
そんなことを想像しながら、お読み頂けると幸いです。


【最多はやっぱり書店】


まず最も多いのが、やっぱり【書店】です。
(要素、というのは、こういうことです)
「本屋さんなんだから当然でしょう!」、
という、つっこみをいただくかもしれませんが、
その数なんと338店!
実に全体の約半数が名前に【書店】を持っています。
「【書店】と名のつく「古書店」が東京には300件以上ある」
その事実はなかなかどうして、簡単に見過ごせないことではないでしょうか。
数が多いだけに、それだけ様々な言葉が【書店】と組み合わさり、
またどのような言葉と一緒になっても、落ち着きやすいのかもしれません。
試みに、これから紹介する様々な要素達の個性を見るために、
夏目漱石の作品名と合わせみることにしましょう。
まずは【書店】から。


→「道草書店」、「草枕書店」、「吾輩は書店である」


お、何の違和感もありません。とてもよく決まっています。


続いて【書房】の117店。これもかなり多いですね。
【書店】と比べると、どこか重みが増したような感じにもなります。
ちなみに「○○書房」(○○の部分は漢字二文字)
というケースが【書房】の六割を占めています。
言い方は良くありませんが、
「昔気質の古本屋」というイメージも、どこか想起させるのではないでしょうか。


→「文鳥書房」、「明暗書房」、「野分書房」


なるほど、これはかっちりした印象になりますね。


そして【古書】、41店。
【古書~】と冒頭に持ってくれば、以下どんな単語がやって来ようとも、
古書店であることは一目瞭然、とても安心です。
後半に意外な言葉を持ってきて、
古書店とのギャップを生む、というのもありかもしれません。


→「古書 それから」、「古書 思い出すことなど」、「古書 二百十日」


なかなか、かっこいい感じに仕上がっています。


それから【堂】。35店です。
実は【堂】を含んでいるだけなら156店もあり、
その内【~堂書店】が109店と、【書店】の約三分の一にもなります。
(これらはむしろ【堂】の方に含めるべきかもしれません)
35店というのは「~堂」と、【堂】で止まる場合です。
「ドウ」という音は、とても収まりがよく、気持ちが良いです。


→「こころ堂」、「行人堂」、「坊っちゃん堂」


覚えやすく、口ずさみやすい名前になるのではないでしょうか。


この続きはまた次回、
東京古書組合・広報課でした。


※古書店数は平成二十一年一月現在です。