こんにちは、東京古書組合・広報課です。
このコーナーでは、私たち東京古書組合や古書業界にまつわること、
またそんなことから少しはずれたこと、他愛ないこと、
なんでも気ままに書いて行きたいと思います。
※今回は、「古書店の名前」について触れるの、続きです。
前回は【書店】【書房】【古書】【堂】という要素について見てみました。
それらに夏目漱石の作品と合わせて、個性を見る、
というような試み(というより遊び)を行ってみました。
今回その続きです。試みについては、一部から
「是非、組み合わせて欲しい!」
という声もあった(ような気がした)太宰治の作品でやってみたいと思います。
ちなみに太宰さんは今年で生誕百周年ということです。
(他にも大岡昇平、埴谷雄高、松本清張、花田清輝などなど、百周年ということです)
【お待ちかねの三つ巴】
さて、前回記事を読んで頂いた古書店好きの皆様は、
「いよいよ次はあれかな……待てよ、あっちかもしれないな」
と思いを巡らせているのではないか、と思いますが、
ここでしかし、意外な伏兵(?)が登場します。
【ブック】(book)もしくは【ブックス】(books)。
これらが全部で21店になります。
カタカナ・英語と組み合わせる際には有効でしょうし、
また堅苦しさが抜けて、親しみやすい印象も生まれるような気がします。
→「ブックス トカトントン」、「走れメロス、ブックス」、「old book Human Lost」
気兼ねすることなく通えるような気が……あまりしませんね。
(すみません、センスの問題です)
そして、ここからが皆さんお待ちかねの三つ巴(?)。
まずは【文庫】の19店。
厳選されたコレクションで満たされている空間という感じがします。
「足利文庫」「金沢文庫」からの連想からか(安易ですけど)、
古風な色合いも出ているようですね。
→「桜桃文庫」、「春の盗賊文庫」、「正義と微笑と文庫」
また【書店】【書房】といった単語からも、
少し距離を持たせることができるのではないでしょうか。
それから【書林】が17店。
こっちも負けていません。なにせ「書」の「林」。
本を掻き分け進んでいるうちに、古書の森へ迷い込んでしまいそうです。
→「薄明書林」、「惜別書林」、「やんぬる哉書林」
まさに迷ってしまった後では、「やんぬる哉」といったところでしょうか。
そして【書肆】、10店。
「肆」というこの趣ある漢字は最早、
「書肆という単語のためにある!」と言っても、良いんじゃないでしょうか。
(そんなことはないか)
→「書肆 ア、秋」、「書肆 人間失格」、「古書肆 帰去来」
とてもスタイリッシュな感じになります。格好いいですね。
以上の三つは単語自体に既に強固なイメージがありますので、
組み合わせる際には、ちょっと難易度が高いかもしれません。
それでも古本屋の名前には、どれもぴったり効果的です。
いかがでしたでしょうか。
皆様もお気に入りの組み合わせなど、見つけられましたでしょうか。
個人的には、
「古書 それから」、「春の盗賊文庫」、「薄明書林」なんて、
なかなか、素敵ではないかと思っています。
今回は要素についてのお話でしたが、これらはもちろんただの統計です。
「名前」が持っている個性や思いというのは、
それぞれの古書店の中でしか感じられないものです。
是非、皆様にも沢山の古書店の「名前」を確かめて頂けたらと思います。
それでは、次回の雑記まで。
東京古書組合・広報課でした。
※店数は平成二十一年一月現在です。