- 日本の古本屋メールマガジン創刊号 2003.1.15発行
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◆INDEX◆
1.相場の謎を解く−古書籍の市場−東京古書組合広報部
2.古本屋のエッセー
【最後に古書店情報を掲載しています】
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日本の古本屋(=全古書連)から、最初のお便りを申し上げます。
皆さんも、そろそろお正月気分も抜けたころと思いますが、お休み中はいっぱい本を読みましたか。
私のお店では、2日から営業を開始しました。でもその日は本の買取はなく、3日になって数人が売りに来てくれました。5日には最初の宅買い(お客さんの家まで本を買い取りに行くこと)をして、6日には最初の市場に顔を出しました。
初市なのでお茶会に来て行くような着物を着ていったら、みんなに笑われてしまいました。
(汚れやすいので、ほとんどの人は作業着のようなものを着ています。)
今日は、その「市場」についてお話します。
皆さんは古本に市場があるのをご存知ですか。
本を売りにいらしたお客様が、「古本の値段はどうやって決まるのか」
という質問をされることがあります。
大切に持っていた本の価値をこの本屋はわかってくれるのかと不安なのかもしれません。でも、その値段は個々の本屋が勝手に本の価値を判断して決めているわけではありません。全古書連加盟の古本屋ならば「相場です」と答えるでしょう。
その「相場」が作られる場所こそ市場です。正しくは「交換会」と言いますが、全古書連加盟業者だけが参加できるオークションや入札会です。東京では神田をはじめとして5箇所の常設会場があります。東京以外にも、ほぼ各県に一つの割合で古書組合があり、
おのおのが市場を主催しています。特に東京では、週末をのぞく毎日市場が開催され、全国の業者が活発な取引を行っています。
市場には多くのプロが集って、お客様から仕入れた本を持ち寄り、またお客様に売りたい品物を手に入れて帰ります。
そうして鑑定眼を鍛え、情報を交換し合っているわけです。
市場があるおかげで、店ではあつかわない分野の本も買い取りできるし、品揃えしたい分野の本を集めることができます。
たとえば、文学を専門にしている書店が理工書を買い取った場合、自分の店ではあまり売れないので、市場に持っていきます。
一方、他の書店が出品した文学書を買ってきて店に置きます。
こうして、古書店の、品揃えにおける「専門性」がたもたれ、買取においては「総合性」が発揮できるわけです。
「市場」は全古書連の活動の中心です。市場を開催するために全古書連があるとも言えます。
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■古本屋のエッセー■
古書組合内部機関誌「古書月報」に掲載の
玉英堂書店 斎藤良太さんによる『架空の寺山修司全集』と
古書サンエー 山路和広さんによる
『世界で最も偉大なるジャンキーとポルノの帝王の物語』を一挙公開。
若手古書業者による、エッセイ二本立て、お楽しみください。
『架空の寺山修司全集』
『世界で最も偉大なるジャンキーとポルノの帝王の物語』
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