日本の古本屋


日本の古本屋メールマガジン
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■ 。.:*゜・☆*゜日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
     。.:*゜・☆*その4・4月24日号・*:.☆.
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◆INDEX◆
1.古本の売り方
2.新東京古書会館落成記念
3.日本の古本屋の新機能について
4. バックナンバーのお知らせ&次号予告
【最後に古書店情報を掲載しています】
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▽上手な本の売り方▽
【はじめて本を売る全ての人のために…】
前回のメールマガジンで予告してしまってから、はたと困りました。
「上手な本の売り方」どころか、よく考えたら、ぼくはお客さんとして他の本屋に本を売りに行ったことがないのです。
そこで、知り合いの同業者に聞いてみることにしました。

第一声「ばかやろう、そんなことがわかるグレエなら、こちとら苦労しねえヤ!」
自分が本を売るときの事を聞かれているんだと思ってますな。
本屋は寝ている間もそのことを考えているので、何を言われても、自分の在庫が頭に浮かびます。 それでも何人かからは面白い話を教えていただきました。

けれど、それは面白いだけで、あんまり役に立ちそうにない話でした。
というのは、もともと本好きで、それがこうじて本屋になった人は、 既存の本屋の買い方に満足できなかったので、自分で売ろうというひとです。
つまり、『上手な本の売り方』ができなかった人なので、参考になりません。
また、買い手がつかないような本を経験の浅い書店に売りに行ったら思わぬ高値で買ってくれて嬉しかったのだけれども、後で市場で顔を合わせるようになって、どうか俺の顔を忘れていてくれ、と祈ったというような話も……

結局わかったのは、本を売るテクニックは大きく分けて2種類あるということです。
まずは、「本屋を選ぶ」ということ、それから手持ちの本をいかにその本屋にプレゼンテーションするかということです。
本屋選びのほうは次回にまわして、今日はどういうときに本屋が喜んで買取するかということを、初心に戻り、当店での実体験に基づいてお話しましょう。

まず、ひと揃いのものはなるべく全部まとめて処分していただくようにしてください。
続きものが全部あるのと、一部がかけているものとでは、まったく価値が違います。
全集などには、希少な巻と余る巻とがあるので、バラでは非常に扱いにくいのです。
20巻の全集で揃いなら10万円、1冊欠本で3万円などということもあります。

それから、同じような傾向の本をまとめて売ると、高く評価します。
同じ著者の本を何冊かまとめて持っていくのも効果的です。
その中には平凡な本もあると思いますが、同じ著者の貴重な本と一緒であれば、評価します。在庫過剰になりがちな本でも同傾向の本がたくさんあれば、品揃えの「厚み」として利用できるからです。

持ってこられる際に、電話帳やノートも一緒にしてごみ袋にでたらめに放り込んで来る方がいますが、それはよくありません。表紙が折れ曲がったりして、本が大切にされていないことが、ぼくらの心を傷つけます。拭いたり磨いたりする必要はありませんが、天地をそろえるぐらいはしてほしいものです。

一度に処分する量ですが、20冊ぐらいから300冊ぐらいまでが適当でしょう。
それ以上の場合には、相談してからのほうがいいと思います。
場合によってはお宅まで出張してくれる店もあります。

小説やエッセイなど「軽い」内容のものは、早く売ったほうが得です。
目安としては、1年以内です。2年ぐらいすると文庫化されることがあります。
そうなったら元の単行本は無価値になります。
ビジネス書などでは有効期限半年というものもあります。
ベストセラーものは古くなると誰もほしがりません。
定期的に処分されることをお勧めします。

内容のしっかりした、次の時代に残したくなるような本は古くなってもあまり価値が変わりません。
希少価値が出てむしろ高くなるものもあります。
専門書・美術書・趣味の本などで、その事柄について本格的に研究した方の蔵書なら、たいていは価値があります。

蔵書を整理される場合に、まず雑誌などを捨ててから相談される方がよくあります。
残っているものは、世界美術全集や百科事典など作りの立派なものだったりします。
これはダメです。事典や全集などは新版が出ている場合がほとんどだからです。

作りの立派な本に価値があるとは限りません。とくに戦前のものの場合、子供の本や趣味の雑誌などに希少価値があります。捨ててしまいそうなささいな物に、むしろそんな物だからこそ、その時代だけの息吹を伝える何かがあるのです。
長年ためた蔵書を整理する際には、ご自分で判断される前に、まず古本屋に相談してください。まったく無価値と思っていた品物にプロが興味を示すので、驚かれることと思います。
日本の古本屋のステッカーのある本屋(全古書連加盟店)ならば、ほとんどの場合ご相談にのることができます。

次回は「上手な本の売り方、本屋選び編」です。
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*.:*゜*・゜☆新古書会館落成記念イベント☆*.:*゜*・゜

いよいよ2003年7月、現在、建築中の新古書会館がオープンいたします!
今まではなかったような、お客様へのサービス、即売展の充実等を目指します。
 
なお、この新古書会館の落成を記念いたしまして、皆様に楽しんでいただける
数々のイベントを計画中!より一層、古書の世界を身近に感じて下さい。

予定されているイベント
その1・ 出演:ホワイトマン 「古本ラヂヲ@古書会館」
その2・ 出演:永江 朗他  「古本屋の作り方」(仮称)
その3・ 出演:ズズキコージ 「Tシャツ工房&トークショー」

また、イベントの他にも「本」に関する展示会も企画中。こちらもお楽しみに!
さらに、この「本」の世界を楽しむ為の本も出版予定!企画、立案はもちろん
古本屋です。古本屋でなければこのような「本」は出来なかったのではない
でしょうか?

【古本カタログ】:2003年6月下旬発売予定。予価2000円

もちろん詳しい内容は、随時このメールマガジンでもお知らせしていきます!
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■日本の古本屋新機能☆コンパクトガイド■
サーバーの増強も無事に終了しました。皆様にはご迷惑、ご不便をおかけしたかと思いますが、現在は快調に動いているのではないかと思っています。
さて、今回はサーバー増強以外のちょっとした変更をご紹介します!

まずは【和書検索の完全一致検索】です。

今までは、『前方一致検索』および『部分一致検索』のみだった和書の基本検索機能に、『完全一致検索』も追加しました。
この機能『日本』など、部分検索や前方検索で多くの書籍が検索されてしまう場合に使うと、とても便利。
また、古書検索の結果の下に再検索用の検索窓をつけました。
この両機能によって、今までの不便が多少解消されたのではないかと思っています。

さて、つぎは会員登録の変更点のご案内です。
今までお問い合わせの多かった、新規会員登録でのミドルネームの項目がなくなりました。また、氏名のよみの項目を追加いたしましたので、情報変更の際にご記入下さい。
なお、今まで郵便番号と電話番号の間のハイフンは不要でしたが、現在は必要になっています。
会員情報変更の際に、ハイフンを入れていただくようにメッセージが出る場合があります。ご協力よろしくお願いいたします。


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