日本の古本屋


日本の古本屋メールマガジン

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      。.☆.:* その73・11月25日号 *:.☆. 。
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☆INDEX☆
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  1. 自著を語る (34) 『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』
  2. 古書交換会レポート
  3. アンケートのお願い

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━━━━━━━━━━━━【自著を語る】━━━━━━━━━━━

【自著を語る (34) 】
『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』(風塵社) 北尾トロ

 何かをすればそれについての反応があり、その反応がその先へ繋
がる 原動力になると思っている。頭の中でぐるぐる考えるのもい
いかもしれないけど、ぼくには向いてない。汗の匂いがしないこと
は信用できない気がして。貧乏性か。だけどまあ、やってみること
で思わぬ展開になることもあるわけで。
  1999年、本の処分法としてネットを使った古本屋を始めたことが
きっかけとなり、期間限定ブックカフェ、プロに混じってのデパー
ト展参加、古書イベントの主催、西荻ブックマークの開始、伊那市
高遠町での「本の家」オープン、「日本に本の町を作ろう」プロジ
ェクト始動までの流れはまさにそんな感じだった。ひとところに落
ち着いてじっくり物事を深めるより、どんどん居場所を変えつつ人
と交わってきた感が強い。
  ただ、その中心にはいつも本があって、その居心地の良さに支え
られてきたのも確かだ。いや、本そのものというより人かもしれな
い。本を通じて知り合う人たちのおもしろさは、ぼくをまったく飽
きさせない。
  常日頃、いかにすれば本まわりのことで遊べるか、そればかり考
えているぼくにとって、古本旅はいずれやってみたかったことのひ
とつだった。古本屋をメインにした紀行文など珍しくもないと編集
者は首をひねったが、いっさい無視して九州に行った。あれこれ話
し合うより、さっさと旅に出て書いたものを見てもらうほうが話が
早い。それでダメなら、もう一発どこかに行って、べつの編集者に
見てもらう。それでダメならあきらめる。問題はそこじゃなかった
りして、「これは執筆のための取材であるよ」と嘘偽りない気持ち
でうちのカーちゃんの目を見つめながら言えればそれでいいのだ。
  幸い、風塵社社長の腹巻き(通称)は九州の原稿を見て難色を示
すどころかつぎは自分も行きたいと言い出した。しめたものである。
で、どこへ。北海道ですかい社長。ところが敵も考えるもので、武
蔵野線はどうだという。それが旅なのか大いに疑問もあったが、な
んと腹巻き、掘り出し物を発見。今度は鎌倉に行こうと言い出して
……。
  そんな具合にあるときはひとり、あるときは腹巻きや別の友人と、
全国各地に出かけたわけだ。途中から、けっこう金がかかるなあ、
どう考えても割に合わない旅だなあと思ったりもしたが、1カ所に
いくとつぎに行きたいところが浮かぶという案配で、札幌、仙台、
松本、金沢、神戸、四国などへ足をのばした。
  温泉も好きだし、うまいものにも目がないし、列車に揺られての
んびり移動するのもいいと思う。でも、ぼくが本当にしたかったの
はこんな旅だった。
  読んで欲しいのはヤマヤマなんだけど、読んだら今度は出かけて
欲しい。いざゆかん古書の旅! ただしカートは忘れずに!

●書誌●
タイトル : ぶらぶらヂンヂン古書の旅
(ブラブラ ジンジン コショ ノ タビ)
発  行 : 風塵社
2007年6月
定  価 : 1,365円(本体:1,300円)
判  型 : 四六判
頁  数 : 222頁

●帯より●
ストレスなし、計画性なしのオフビートな古書店めぐり

●プロフィール●
北尾トロ (Toro Kitao)
1958年福岡県生まれ。法政大学社会学部卒業後、フリーター生活を
経てフリーライターに。ノンフィクション・エッセイを手がけ、現
在、「週刊文春」「ダヴィンチ」など連載を多く抱える。
1999年、オンライン古本屋「杉並北尾堂」を開業。ネット古書店ブ
ーム(?)のさきがけとなる。
“日本に『本の町』をつくりたい”との思いから、2007年、長野県
伊那市高遠町で仲間とともに古民家を借り、実験的店舗を運営。
2008年5月、「本の家」として本格的に営業を開始。東京と高遠を
行き来する生活を送っている。
著書に『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』『ぶらぶらヂンヂ
ン古書の旅』『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』など。最新刊
になる『中央線で猫とぼく』(メディアファクトリー)は、10月31
日に発売。


 

━━━━━━━━━━【古書交換会レポート】━━━━━━━━━

 古書業界には、各都道府県に古書組合が存在し、各所で業者同士
の古書交換会(古書市場)が開かれています。
それが、古書店の仕入れルートの基本となっています。東京では、
神田にある、東京古書会館(本部会館)のほか、いくつかの支部で
開催されています。
本部会館では、毎日、市場が開催されています。月曜は、一般書や
サブカルが中心の「中央市会」。火曜は、洋書の「洋書会」に、古
典籍の「東京古典会」と好対照の市が同時に開催されます。社会科
学系の資料モノが中心になる「資料会」は水曜。神田の支部市とい
う位置づけの「一新会」が木曜と続き、近代文学からヴィンテージ
系の俗に“黒っぽい”本と呼ばれる物が集まる「明治古典会」が金
曜でトリを務めます。
今回は、そのなかの「中央市会」から、最近の話題をご報告します。

 

『見逃されたお宝本』
中央市会事業部長 山崎有邦(オヨヨ書林)

市場には日々、大量の本が集まってきます。特に「中央市会」は、
その量の多さでは、他の会に比べても抜きん出ています。厳選され
た1冊本もありますが、20冊前後の本を一括りに縛った束を5本(業
界では、束を本と数えます)、10本と山に積まれたものも多く出品さ
れます。それらは、一山いくらで、多くの場合、催事用の商品とし
て買われることが多く、一冊一冊値踏みされることは稀です。
本を出品するお店は、ある程度の仕分けをしてから出しますが、自
分の専門ではない分野は大まかに分類するだけという場合も多く、
時には、そのざっくりと一括りにされた山の中に、思わぬお宝本が
紛れ込んでいることがあります。
先日の市会でのこと、市場の隅に、戦前の文芸書が200冊ほど並んで
いました。パッと見た感じ、めぼしい本もなく、均一用のような感
じでした。
開札はぼくが担当したのですが、入ってた札も5-6枚。ほとんどの業
者は、注目してなかったようです。やはり催事ネタという判断か、
「安ければ買ってもいい」というような数字しか書いてない店もあ
る中、ひときわかけ離れた数字を入れている店がありました。
文芸書を専門に扱う店です。それも2店。その2店で競り合った結果、
見た目、しょうもない品物ばかりと思えたものが、かなりの高値で
落札されました。
何が評価されたのだろうかと、本の背を、端から端と順に眺めまし
たが、見当がつきません。後で、落札された方に、何か珍しい本で
も入っていたのかと訊ねたところ、その方が教えてくれたのは、函
の背のくすんだ、タイトルも微かに読めるか読めないかというよう
な一冊の本。かろうじて読めるタイトルには、『お艶殺し』と書か
れています。
谷崎潤一郎の本です。大正4年の初版本だということです。千章館
より刊行されています。読むだけなら、現在は、中公文庫で読むこ
とは出来ますが、やはりコレクターの間でも人気のある作家の初版
本ということで、少々状態は悪くても、レアで貴重なものにはそれ
なりの値段がつくようです。
改めて本の束を見直しましたが、数多くの黒い本の山の中から、タ
イトルもほとんど読めないこの本に気づくとは、さすがに専門店だ
なと、その眼力に感心しました。
もちろん誰にも気づかれることなく、安く落札され、どこかのお店
の均一台に並ぶこともあるかも知れません。そんな時は、お客さん
がお宝本を見つける幸運に恵まれるということになります。
雑本のなかからお宝本を見つけ出すことは、古書ファンだけでなく、
プロの古書店にとっても、古書市場で取引することの醍醐味と言え
ます。ただ、眼力と嗅覚に優れた多くの専門店が出入りしています
ので、そんなに簡単なことではありませんが…。

━━━━━━━━━━【アンケートのお願い】━━━━━━━━━

「今年の収穫・この一冊」アンケートご協力のお願い

平素はインターネット「日本の古本屋」をご利用いただきまして、
ありがとうございます。

さて、「日本の古本屋メールマガジン」では、アンケート特集
「今年の収穫・この一冊」を今年も企画いたしました。今年手に入
れた古書の中から、印象深い一冊、嬉しかった一冊を、是非お知ら
せ下さいませ。
ちょっと一息入れて「今年の収穫」に思いを巡らせてみませんか。
どうぞご協力いただけますようお願い申し上げます。
アンケート回答は専用フォームを用意しましたので、そちらからお
願いいたします。

また、アンケートにお答え頂いた方の中から抽選で10名様に
図書カード1000円分をプレゼント致します。
抽選結果は図書カードの発送をもってかえさせて頂きます。

専用フォームにお進みいただくと、以下のことをお尋ねします。

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アンケート専用フォーム
http://www.kosho.ne.jp/melma/qs/questionnaire2008_.htm
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■一冊の書名・著者名(今年買われた古書で印象深いもの)

■その簡単な理由

■〆切 2008年12月15日(月)

2008年12月発行の「メールマガジン日本の古本屋」にて紹介
させていただきます。全てのご回答をご紹介できない場合がござい
ますので、どうぞあらかじめご了承ください。

よろしくお願い申しあげます。



━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

11月〜1月の即売展情報
http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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  【バックナンバーコーナー】
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  次回は2008年12月下旬頃発行です。お楽しみに!
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全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,300店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその73 2008.11.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3−22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝

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