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☆INDEX☆
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 1. 編集長登場番外編 夏葉社 島田潤一郎
 2. ドン・ザッキーとは誰か?  青木正美
 3. 満鉄図書館史 村上美代治
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━━━━━━━━━━【編集長登場番外編】━━━━━━━━━━

『関口良雄さんを憶う』の出版について

                    夏葉社 島田潤一郎

出版し、まったく売れなくても後悔しない本をつくりたい、とずっ
と思っています。貯金をはたき、借金をして、一人でやっている出
版社ですから、そういう気持ちがないと、恐くてやっていけません。
普段は、古本屋で800円くらいの本を見ても、高いなあ、などと
思ってしまいます。それが、本の出版となると、百万円以上のお金
が出ていきます。ATMの画面を押す指が震えてきます。

『昔日の客』は、そういう思いでつくった2冊目の本です。昨年の
6月に初めて読み、感動して、すぐに復刊に取りかかりました。売
れたらいいなと思っていましたが、実はつくることに精いっぱいで、
販売のことを考える余裕はあまりありませんでした。印刷所に入稿
したあと、なんとか時間をつくって、お世話になっている書店をま
わるくらいしか出来ませんでした。

しかし、復刊した『昔日の客』は、こちらが想像していた以上に好
評でした。3年で売り切ろうと思っていた冊数が、およそ1ヵ月で
無くなりました。ブログやツイッターなどで、書評家、書店主、読
者の皆さんが、積極的に取り上げてくれたからだと思います。毎日
のように書きこまれる本の感想を読み、関口良雄さんの奥様、ご子
息の直人さんと、ともに喜んでいました。こんな経験はもう二度と
出来ないと思います。

先月復刻した『関口良雄さんを憶う』は、その感謝の気持ちを込め
てつくりました。税込で、840円です。
本の復刊を喜んでもらえたとき、私は出版社を立ち上げて良かった
と、心から思います。そればかりでなく、生まれてきてよかった、
とも思います。

今後も、営利主義に陥ることなく、復刊をコツコツと続けていきた
いです。


  夏葉社 http://natsuhasha.com/

 

━━━━━━━━━━【自著を語る(51)】━━━━━━━━━━━

ドン・ザッキーとは誰か?
                      青木正美

 私の今度の本『ある「詩人古本屋」伝−風雲児ドン・ザッキーを
探せ』は筑摩書房から出版された。

 私は五十歳の時『古本屋三十年』なる本を出し、貸本屋時代のこ
とにも触れたのである。その資料として使ったのが都崎友雄『新貸
本開業の手引』という小冊子。私が都崎に著書を贈ると、その手引
きを分けて下さらんかとの、都崎の電話。私は引用のお礼にと、そ
れを送る。都崎は私の参加している古書展に訪ねて来たりした。そ
の後私は都崎が古い同業で、戦後長く組合の『古書月報』を編集し
たり、貸本組合初代理事長としても活躍した人だったと知る。

 意外な展開を見せるのは、私が古書市場で仕入れた大正十四年一
年間を書き切った一冊の日記帳との出会いだった。日記の主は神田
・冨山房に勤める十七歳の少年で、詩にこっているのが見つかり、
首を告げられてしまう。帰る故郷もない少年は、徒弟になりたいと
詩人達へ手紙を出す。唯一店へ訪ねてきたのがドン・ザッキーとい
う詩人。少年はそこへ転がり込み、詩誌『世界詩人』の編集、詩稿
集めに従事、それを克明に日記に記し続けた。

 少年はドンの破天荒な行動に翻弄される。時あたかも大正ダダイ
ズムの青春群像が、疾風怒濤の如く駆け抜けた時代であった。日記
で少年は、時々ドンが都崎姓であることも書く。読み進めた私は、
いつかあの都崎老人のことを思い出し、「もしや?」と思った。

 結局私は、ドン・ザッキーがあの『日本近代文学大事典』にも載
る詩人で都崎は「ド、ザキ」をもじって詩人名としたものだったこ
とを知る。ただここには、「その後市井に隠れた存在」とも書かれ
ていた。私はまるで、運命に突き動かされるように諸文献を漁り、
御子息達にも取材し、その生涯を明らかにした。
 是非お読み頂けたら幸いです。

 
『ある「詩人古本屋」伝−風雲児ドン・ザッキーを探せ』
筑摩書房刊
  http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480816702/

━━━━━━━━━━【自著を語る(52)】━━━━━━━━━━━


『満鉄図書館史』の出版について

                    村上美代治

日露戦争後の満洲統治策として、また国内の閉塞状況を打破するた
めに国策会社として設立されたのが南満洲鉄道株式会社(以下、満
鉄)です。満鉄は会社業務の遂行のために1907年に調査部図書
室(後の大連図書館)を設置、続いて1910年11月に鉄道沿線
主要地に社員・その家族及び在留日本人向けの図書館として図書閲
覧場(後に簡易図書館、図書館に改称)を設置しました。大連図書
館、奉天図書館、哈爾濱図書館の3つの参考図書館と多くの通俗図
書館を沿線各地に設置することによって、点と線で結ばれた図書館
網を構築することができ、幅広い図書館活動を展開しました。

ここに日本国内には見られなかった非常にユニークな図書館活動を
展開することが可能となりました。この活動が満鉄図書館の名を内
外に知らしめることになり、2度にわたって図書館大会(日本図書
館協会主催)を満洲の地で開催するまでに成長しました。

本書は2010年に図書閲覧場(後に簡易図書館、図書館に改称)
が設置されて100年の節目に当たることから、誕生から消滅に至
るまでの満鉄図書館の活動を総合的に理解することを目的として刊
行しました。外地図書館のなかで一番活発に展開した満鉄図書館を
図書館史のなかで論じることによって、図書館の理念や哲学を見出
すことを試みました。これから図書館史を学ぼうとする方はもちろ
ん、満鉄・メディアにご関心のある方も手にとって頂きたいと思い
ます。入手先は次のとおりです。


申込先  
           *村上美代治(e-mail: murakami@ad.ryukoku.ac.jp)
頒  価:2,500円(送料は別に350円を要します。)
支払方法:郵便振替(困難の場合は銀行振込)
*東京堂書店神田本店3階にて好評発売中
http://www.tokyodoshoten.co.jp/


━━━━━━━━━━━━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━
 出久根達郎さんが講演を行います。
 
  「本の数だけ学校がある」

 3月27日(日)13時〜15時 中央区佃 相生の里

 詳細、予約方法は下記ホームページにて。
 http://aioibooklabo.blog.shinobi.jp/Entry/6/

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━
自著を語る(53)
高須次郎(緑風出版代表)
   『再販制/グーグル問題と流対協』論創社刊
     http://www.ronso.co.jp
 緑風出版
     http://www.ryokufu.com/top.html


自著を語る番外編
 晴美制作室(株) 東海晴美
  『草森紳一が、いた。』
   http://d.hatena.ne.jp/s-kusamori/
   崩れた本の山の中から
   草森紳一 蔵書整理プロジェクト
   http://d.hatena.ne.jp/kusamori_lib/


編集長登場 第二回
ミネルヴァ書房『究』(きわめる)編集長 杉田啓三
  http://www.minervashobo.co.jp/

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

 3月〜4月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその100 2011.2.25

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【発行者】
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