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      。.☆.:* その106・8月25日号 *:.☆. 。
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☆INDEX☆
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  1. 『書物奇縁』             久松 健一
  2. 『本の世界に生きて50年』      能勢 仁
  3. 古本屋ツアーインジャパン2011年前半  小山 力也

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(61)】━━━━━━━━━━

『書物奇縁』

                        久松 健一

 むかしから本が好きだった。わけても古書には愛着と執着がある。
浜松の高校に通っていたが、夏休みになると上京し、神田や本郷や
早稲田界隈をぐるぐるまわった。大きな鞄を背負い、両手に本をぶ
らさげて歩いた。
  そんな姿に同情されたのかもしれない。かき氷を古書店の店先で
馳走になった。また、若造には話がしやすかったからなのか、「ま
いってるんだ」と店主から人生相談を切りだされ慌てたこともある。
書籍は見知らぬ人との思わぬ出会いをつれてくる。

 この初エッセイ集を知人に配った。編集サイドでつきあいのある
方々にも、版元を通じて郵送いただいた。

 返事がもらえた数は、好調なイチローの打率をやや上回るくらい
だろうか。寡黙な友は「熟読、実に面白かったよ」と一行だけの葉
書をくれた。某出版社のご意見番からは「思わぬ躓きの石と感じた」
として、こなれていない箇所を指摘いただいた。直木賞作家のD氏は
「至福の時間を味わった」と筆書きの書状をくださった。ありがたい。

 簡易的とはいえ、今時、EX LIBRISを貼りつけた書物は珍しいは
ず。ページの余白をウイリアム・モリスが提唱した黄金比に仕立て
てもいる。そのためだろう、本の佇まいがよろしい、瀟酒である。
そんな声をいくつか頂戴した。こそばゆいものの、嬉しい。
  都合14編、書物を核とする小品を収めた。タイトルは、日本古書
通信社の樽見博さんがこれで行きましょうと決めてくださった。

 なお、本書のp.141には、佐藤泰志の文学を視野に入れながら、
現行の書物販売実数至上主義への疑義を記した。「いや違う、そう
ではない」とはじまる数行だが、そのまま自身の執筆活動の気宇で
ある。

 

『書物奇縁』 久松 健一著
  (日本古書通信社 税込1260円)好評発売中!
   http://www.kosho.co.jp/kotsu/

久松健一(ひさまつけんいち)

 昭和30年代、浅草に生まれる。明治大学商学部准教授。フラン
ス語ならびにフランス文学を講じる。
『携帯<万能>フランス語文法』や、フランスAssimil社とイスラ
エルKernerman社がコラボレーションした辞書<< JAPONAIS >>の編
集などで知られる。「遠藤周作蔵書目録・光の序曲」という手堅い
書誌も編んでいる。

 

 

 

━━━━━━━━━━━【自著を語る(62)】━━━━━━━━━━

「本の世界に生きて50年」 

                   ノセ事務所 能勢 仁

 この本は主役とインタビュアー小田光雄氏のコラボレーションに
よって出来た本です。主役は能勢仁です。自伝を書くのは恥ずかし
い気がしたが、こうしたインタビュー形式で応えてゆくと、何の抵
抗もなくペラペラしゃべってしまう。それが一冊の本となったので
す。小田光雄氏の質問の切り口が本の内容の良否?に関係してきま
す。よく整理された質問事項に敬服しています。
本書を読んでくださった方からの反応は、読みやすかったというこ
とでした。それは会話体になっているからではないでしょうか。

 主役は高度経済成長時代に青春時代を過しました。従ってサクセ
スストーリーになっていやしないかと心配しています。小田光雄氏
も言っておられますが、業界歴50年は珍しいことでありません。そ
の50年の中身が、書店、出版社、取次と、出版界でいう業界三者を
経験している人が少ないので、主役が登場したのでしょう。小生は
出版界五者、つまり出版社→取次→書店→読者→図書館と考えてい
ます。2011年3月に都立中央公共図書館スタッフの募集がありました。
早速応募し面接も受けましたが、採用通知は来ませんでした。
まだ主役の頭の中では全分野経験とは思っていません。

『本の世界に生きて50年』 能勢 仁著
  (論創社 1600円 本体価格・税別)好評発売中!
   http://www.ronso.co.jp/

 

 


 

━━━━━━【古本屋ツアーインジャパン2011年前半】━━━━━

古本屋ツアー・イン・ジャパン2011前半を振り返って

            古本屋ツーリスト 小山力也

 今年で、ほぼ毎日のように古本屋を巡り始めて、四年目。私にと
って、人生の大部分を占めつつあり、生きるよすがともなった感の
あるこの『古本屋ツアー』と言う行為…楽しさと苦しさがないまぜ
になった、この私的調査的奇行…。もはやそこに確固たる理由は存
在せず、ただただ行動のみが熱い目的と化し、血眼になって古本を
売っている場所を探し求め、今日も都市の裏路地を徘徊し続けてい
るのである…。

 2011年の1月1日、私は神戸にいた。お正月から営業している古
本屋さんを訪ねての行動である。目的のお店は、残念ながらシャッ
ターを閉じていたが、別の営業中のお店を地下街で偶然発見し、ど
うにか幸先の良いツアーのスタートを切ることが出来た。しかし神
戸にはまだまだ訪ねるべきお店が多く、大阪・京都も含めた三都を、
これからの調査の大きな壁として実感することとなる。それからは
東京と関東近県を核にして、時たま地方都市を訪れるパターンを繰
り返す毎日。角田・福島・日立・蒲郡などの未知の土地に足を踏み
入れ、古本屋をひたすら踏破して行くイカれた日々……しかし、3
月11日に恐るべき“東日本大震災”が発生してしまう。

 続きはこちら
   http://www.kosho.ne.jp/melma/1108/index-1.html

小山力也

古本屋ツーリスト。全国の古本屋の調査踏破を目指すブログ『古本
屋ツアー・イン・ジャパン』管理人。お店をダッシュで巡ること、
多々あり。全国制覇の野望は大きいものの、現時点で何店の古本屋
を巡ったかを把握しておらず、この先訪ねるべきお店が何店あるの
かも判らない。まったくもって行き当たりばったりな状況だが、こ
の先もまだまだ旅は続いて行く。

古本屋ツアー・イン・ジャパン→ http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/


 

 

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

『震災に負けない古書ふみくら』 佐藤 周一著
  (論創社)9月上旬発売予定
   http://www.ronso.co.jp/

編集長登場 第四回
岩波書店『図書』編集長 富田武子
    http://www.iwanami.co.jp/tosho/index.html


 

━━━━━━━━━━━━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━

東京古書組合“古書の日”イベント開催

東京古典会創立100周年記念 和本シンポジウム

◆10月2日(日)12:00〜18:00
    3日(月)11:00〜16:30

◆会場 東京古書会館 入場無料 

◇貴重書展 〜和本の世界〜 
「斯道文庫蔵和漢古典籍集覧」協力:慶應義塾大学附属研究所斯道文庫
「江戸川乱歩と東京古典会−購入記録にみる和本蒐集の軌跡」協力:立教大学
「東京古典会創立100周年記念 古典籍展観大入札会 出品物プレビュー」

◇北斎の名作が現代に甦る!浮世絵版画 摺りの実演と体験
  協力:アダチ版画研究所

◇トークライブ ロバート・キャンベル×木内昇

10月3日(月)
◇古本屋になるには講座2011
詳細なお知らせ、募集開始は9月上旬〜中旬頃を予定しております。

詳しくは http://www.koten-kai.jp


 

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

 7月〜8月の即売展情報
http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

携帯電話からも見られるようになりました。。
http://www.kosho.or.jp/public/spotsale/mobileList.do

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日本の古本屋メールマガジンその106 2011.8.25

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     東京都千代田区神田小川町3−22 東京古書会館
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:西村康樹
         編集長:藤原栄志郎

 

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