● 組合の沿革
福岡の古本屋の団体「福岡古書組合」(福岡市古書籍商組合)は、昭和2年に創立されました。
大正14年に市内で始まった業者の「市」がきっかけで、昭和5年には仲間23名をもって古物
営業法による正式の届出をして組合をつくりました。戦前に人員が最多の56名になったのは昭
和17年のことで、有志による古書即売会を現在のように市内の各所で開催しています。また、
この頃「橋口町の古本屋」と呼ばれた福岡の古書の町が中央区天神にありました。ご存知の方
もいらっしゃるでしょう。
昭和20年、戦争は終わり出版界はやがて息を吹き返しました(20年代の本は、その粗悪な姿を
いまなお即売会や店にあらわすことがあります)。一方、古書業界は20年代後半から30年代と
需要の低迷に見舞われました。不況は40年代の「明治百年」「郷土史」「初版本」ブームの到来
で活況に転じましたが長続きせず、昭和の終わりちかくには古書をめぐる環境は一変しました。
『福岡古書組合七十五年史』(平成15年)によると。新規組合加入者は21、22、23年、計47名、
30年代7名、40年代9名、50年代25名、60年代8名と時の流れを映しています。また、人員は
22年71名、26年〜51年平均23名、52年30名、59年41名、平成12年59名で、20年の現在は43
名となっています。
福岡県内には各地に、昭和の初めから古書組合がありました。北九州、福岡、久留米、大牟田
の4組合で昭和16年に連合会を結成して現在の「全古書連」創立に備えた歴史があります。
もともと古本屋は、新刊書店と異なり問屋や取次店をもちません。それに代わるのが市場とお客
様というわけです。そして「古本屋は仲がよい」といわれるのは同業との売買も必須だからで、
これは古物商の特長です。福岡市古書組合の市場は長い歴史をもち、毎月2回定期的に開かれ
ています。活発な取引が行なわれています。
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