※この展示会は緊急事態宣言の対象期間後に開催予定ですが、
今後の状況により会期の変更、または中止する可能性もございます。
「歌人・尾崎左永子展ー『さるびあ街』から『薔薇断章』へ」展を開催します。尾崎左永子は昭和2年、
東京・巣鴨に生まれました。父は宮内省勤務。女子学習院から東京女学館中等科を経て、東京女子
大学国語科を卒業。戦時中に青春期を過ごし、昭和18年の明治神宮外苑における雨中の学徒出陣壮行会にも参加しています。
少女のころから文学、短歌に関心をいだき、佐藤佐太郎の『しろたえ』に感銘を受け、17歳で佐太郎に入門。昭和29年、第2回『短歌研究』五十首募集に入選(特選・寺山修司)。この時『短歌研究』編集長・中井英夫と出逢います。
昭和30年、「夕雲」で第一回角川短歌賞最終候補。昭和32年、松田さえこ名義で第一歌集『さるびあ街』を刊行。写実を基本とし、戦後に意思的に生きる女性の都市詠として評価されました。 歌人のかたわら放送作家・古典研究家・エッセイストとしても幅広く活躍。『源氏の恋文』(第32回日本エッセイスト・クラブ賞)、歌集『夕霧峠』(第33回迢空賞)、『薔薇断章』(第31回詩歌文学館賞)などがあります。
『短歌研究』『短歌』編集長を務めた中井英夫とは生涯、交流があり、中井英夫の代表作『虚無への供物』のヒロイン・奈々村久生は、尾崎左永子がモデル。中井英夫(塔晶夫)からの『虚無への供物』献本や書簡、また稀覯本となっている第一歌集『さるびあ街』(普及本、私家本)などの代表的著作、塚本邦雄、岡井隆、寺山修司、馬場あき子、安永蕗子らとの交友を示す書簡や写真などを展示し、尾崎左永子の『さるびあ街』から『薔薇断章』に至る、多彩な文学世界をご案内します。
- 会期
- 2021年5月21日(金)~6月26日(土) 10時~17時(日曜休館)
- 会場
- 東京古書会館2階情報コーナー(入場無料) 千代田区神田小川町3-22